富山県にある砺波平野はチューリップで有名だが、これは庄川・小矢部川の扇状地で水はけが良いためである。
扇状地では水はけが良いために、通常稲作には不向きで畑作が行われることが多い。しかしながら、砺波平野では庄川・小矢部川の水と沖積土が肥沃であったことにより、奈良時代から水田開発が行われたという歴史がある。
水田開発の際には、それぞれの農家が自身の周りの土地を開拓して稲作をしたことより、農家の周りに田んぼがあるようになったそうだ。加えて、砺波平野は日本海性の気候であり、冬の冷たい北西季節風・吹雪・夏の強い日差しから家を守るための屋敷森が発達してきた。これらの要素が合わさって出来た集落形態が散居村(さんきょそん)だ。
ちなみに富山市は神通川と常願寺川による扇状地で、砺波平野とは別に東にある。

(参考)
この散居村の田の水に夕日や朝日が反射する美しい光景が見られる時期がある。この光景が見られるのは、田んぼに水が貼っていてまだ稲が育っていない5~6月に限定される。
いつかはカメラに収めたいと思っていたが、今回はゴールデンウィーク(GW)の5/4, 5に富山方面の天気が良いということで名古屋から車で向かってきた。
愛車に乗って東海北陸道などの高速道路を北上し、名古屋から3時間ほどで富山県に到着。東海北陸道を走ったのは初めてだが、飛越大橋の県境を過ぎて富山県に入って少し山間部を超えたらすぐ砺波平野が広がっておりあっという間だった。
富山までは北陸新幹線が通る前では、名古屋からしらさぎで米原を回って3時間40分ほどかかっていたがそれよりも所要時間はだいぶ短い。今は北陸新幹線が敦賀から通っているのでやや短くなったはずであるが、高速道路で向かって、富山は遠い場所というイメージが覆った。
15時ごろに着いたので、まだ早いと思い、一旦北陸新幹線の撮影に。
向かったのは倶利伽羅峠を超えて富山県から石川県に入ってすぐの「新幹線の見える丘公園」。駐車場があり、新幹線の通過時刻も書いてあるので楽な撮影地だった。

上下各1本ずつ撮影して終了。午前順光の撮影地だった。


午後順光の近隣の北陸新幹線の撮影地は他に、富山市内で呉羽山から立山連峰をバックに市内を駆け抜ける構図があったが午前順光と勘違いし、パスしてしまった。
北陸新幹線の富山県付近の撮影ポイントとしては白山総合車両所の夜景が有名なのと、早月川橋梁付近を立山バックに見るのが移動中に見ていい感じだったのでまた機会があれば再訪したいところだ。
北陸新幹線の撮影の後に、ようやく散居村の撮影に向かった。
散居村を望むことのできる場所としては散居村展望台・散居村展望台広場・医王山展望台などがある。前2スポットは平野の東側にあるため、夕暮れを望むことができるが、医王山展望台は平野の西側にあるで散居村の朝陽を望むことができる。
今回向かったのは散居村展望台広場だ。
なお、下の看板のように順光で散居村を望むことができるのは午前中だ。

田んぼに水が張って、水鏡の真っただ中ということで展望台最前列は日没1時間前の時点で三脚が並び、満員となっていた。





日が沈んだあともあたりには平和な空気が流れていた。

しばらくたつと街に明かりが灯りはじめ、闇が迫ってきた。

このあたりで寒さが限界になってきたので撤収。
身体を温めるべくラーメン屋へと向かい、ぬくもりを摂取した。
今回訪問したのは近くにあった「ラーメン椿家」。小学校の食育で学ぶ、赤・黄・緑の三色の食材をそろえた完全食で冷え切った身体を温めた。

ラーメンは全てを解決する。

この日は高岡市内の快活に宿泊。ホタルイカの夜間蛍光や北陸新幹線の白山総合車両所の夜景撮影のことなど完全に忘れてぐっすり就寝した。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。