JR東海の臨時列車は最近になって特に新幹線のものが多くなった気がするが、2016年ごろは中山道トレインと秘境駅号くらいしかなかったように思う。佐久間レールパークの閉園関連の列車には世代的に間に合わなかった。
秘境駅号は遠くて撮影にできていないので、今回取り上げるのは名古屋駅で撮った中山道トレインである。
中山道トレインは紅葉の中山道の宿場町の観光客をターゲットとして運転された急行列車で、2012年に117系で設定されて以来、2020年まで毎年11月頃に設定されていた。2020年を最後に設定が無くなってしまった。列車紹介の前に中山道の宿場町を紹介したい。
今回の目次
1. 中山道と木曽地域の宿場町
中京地区の都会に飽きた住民は、時たま遊びに行くので何となくわかってはいることだが、しっかり調べたことはなかったので中山道と木曽地域の宿場町について少しまとめることとする。
中山道はそもそも東京から京都までを結ぶルートで、江戸時代に5街道の一つとして整備されたものである。具体的には、東京を出てから埼玉を経て群馬を通り、碓氷峠を超えて軽井沢より長野県に入る。長野県に入ってから和田峠を通って諏訪湖の側を通り、木曽川に沿って南下し、妻籠より岐阜県に入って西進する。岐阜県では鵜沼や関ヶ原を通り、更に柏原より滋賀県に至る。滋賀県に入ってからは琵琶湖の南側を通って、草津にて東海道と合流し、京都の三条大橋に至る。

https://www.kumagaya-bunkazai.jp/museum/jousetu/nakasendou/01_a01.htm
現在の日本の鉄道幹線及び国道は明治期に当時の主な街道に沿って整備されたものが多い。
東京から京都までを結ぶルートとして、中山道は、生糸の産地である群馬長野を通ること、既に海運が発達していたこと、そして海側からの攻撃への備え、などの観点から東海道に優先して1869年より整備されることとなった。しかし、当初それほど考慮されていなかった碓氷峠などの山越えの工事が想定以上に厳しかったことや名古屋飛ばしを憂いていた名古屋市長の働きかけもあって、1886年に東西幹線ルートは東海道を整備することとなった。それまでに中山道ルートとして整備された大垣~草津間は東海道線に組み込まれ、東海道線が1889年に完成した(草津~京都は中山道と東海道の重複区間である)。

夜は無人で星がきれい。昼間は五平餅・朴葉味噌・信州そばがおいしいので是非。
東海道線の完成によって中山道は大垣以東で裏街道となったが、地方都市を結ぶ路線の性格が強い高山本線・太多線・中央本線・信越本線・高崎線などが整備された。対照的に岐阜以東は旧東海道を差し置いて、東海道線・東海道新幹線・名神高速道路などの主要幹線となっている。しかしながら、リニア中央新幹線は中津川以西は名古屋まで主に中山道ルートをとり、名古屋以西ではおおよそ旧東海道のルートをとる方針が有力となっていたりするなど幹線の性格は完全には廃れていないようだ。
中山道の宿場町は全部で69宿あるが、中でも岐阜-長野の宿場町は山中で開発が進まなかったためか古の風情を残している印象が強い。中山道トレインが通る中央本線沿線の宿場町を下の表に示す。
| 宿場町 | 付近の駅 | 備考 |
| 大井宿 | 美乃坂本 | 以南で中央本線は木曽川沿いに通っており、中山道から外れる |
| 中津川宿 | 中津川 | |
| 落合宿 | 落合川 | |
| 馬籠宿 | 中津川 | |
| 妻籠宿 | 南木曾 | |
| 三留野宿 | 南木曾が最寄りだがやや遠い | |
| 野尻宿 | 野尻 | |
| 須原宿 | 須原 | |
| 上松宿 | 上松 | |
| 福島宿 | 木曾福島 | |
| 宮ノ越宿 | 宮ノ越 | |
| 藪原宿 | 藪原 | |
| 奈良井宿 | 奈良井 | 中山道トレインの終着駅 |
| 贄川宿 | 贄川 | |
| 本山宿 | 日出塩 | 駅からやや遠い |
| 洗馬宿 | 洗馬 | |
| 塩尻宿 | 塩尻 | JR東海と東日本の境界駅 |
| 下諏訪宿 | 下諏訪 |
現在の駅と当時の宿場町はおおよそ一致しており、江戸時代から町が続いてきたことがうかがえる。宿場町がない場所にできた駅(坂下・田立・十二兼・大桑・倉本・原野・木曽平沢・日出塩)もあるので、宿場町がなくともそれなりに発展することはできたようだ。
(個人ブログなのでwiki情報を要約したものとなっている。正確な情報を期する方は各自1次情報を当たって頂きたい。)
中山道トレインは名古屋駅を出てから中央本線を走り、多治見・中津川・南木曾・野尻・上松・木曽福島・藪原に停車し、終点の奈良井に向かう。上の表に挙げた大体の宿場町の訪問に利用できる。
2. 中山道トレイン
中山道トレインは2012年のデビュー時はトレイン117という、117系改造の観光車両で設定された。トレイン117は翌年に廃車されたため、2013年と2014年は371系で設定された。






2014年に371系が引退したため、2015年以降は基本的に373系で設定された。2018年だけ383系4両で設定された。ヘッドマークは毎年同じで、383系の年もシール式のマークが前面の貫通扉に張り出された。
中山道トレイン2016


373系で設定の年は毎年同じ姿を見せていた。
コロナ関連で2020年を最後に設定がなくなってしまったのが残念である。列車の有無に関わらず、秋の木曽路は景色も食も良いので訪問したいところだ。自分は車で行ったことがあるが、1日乗り放題の青空フリーパスでの訪問も便利だろう。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。